議会報告
 
 

定例議会 一般質問

平成17年3月2日

一般質問原稿

平成17年3月2日
公明・21世紀クラブ  庄子賢一


 我が国の人口は2006年に頂点を迎え、2007年からは減少に転じることが、政府や調査期間の報告で明らかになっております。日本社会は、これまで経験したことがない人口減少時代に突入するわけでありますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、標準的なケースで2006年の人口1億2,774万人から、2050年には約1億人。2100年には6,414万人に減少すると予測されており、最も悲観的なケースでは2100年には4,645万人と、実に現在の3分の1にまで人口が減っていくという推計が示されております。日本はこれまで、人口増が半ば当たり前と思われてきました、その為に人口減少社会がどのような姿になるのかについて、具体的に描くのが難しいのではないでしょうか。一橋大学の高山憲之教授の説によれば、人口減少社会の日本は労働力人口の減少が避けられず、中でも30歳未満の若年労働力は2015年にかけ1、600万人から1,100万人へと500万人も減っていくだろう。新技術の担い手である若年労働力が減ることで、情報関連分野をはじめとする先端産業で、日本は世界の技術革新競争に勝てず、結果日本経済の優位性はますます失われていくであろう。さらに一人あたりの所得の低下と貯蓄率の低下を招き、国内消費の減少から日本経済は衰退の道を進む。と述べております。今後の社会を展望した時、人口減少というのは極めて重大かつ難解な課題であり、国の土台をも崩しかねない愁眉の問題である事が判ります。

こうした深刻な人口減少の大きな要因でもあるのが少子化問題であります。現在自治体や企業では、昨年7月に成立した「次世代育成支援対策推進法」に基づき、次世代育成の為の行動計画の策定を急いでいる所ですが、深刻な少子社会を背景にして、企業自身による従業員の働き方の見直しを含め、社会全体で次世代の育成に取り組む新たな試みとして注目されております。 大綱1点目に知事に伺いたいのは、こうした国や自治体、そして企業が直面している少子化の問題について、県としては今後どのように取り組んでいかれるのか、という点であります。少子化そして人口減少社会をしっかりと検証し、対策を講じることが、未来の社会にそして今の子供達に対する我々の責任だと思うからであります。
年間の出生数110万人。合計特殊出生率1.3を割り込むという、いわば少子化の非常事態とも言うべき現状に対し、まず浅野知事はどのような認識をお持ちなのか、総括的にお伺い致します。

これまで国においては「エンゼルプラン」「新エンゼルプラン」さらには「少子化対策プラスワン」を策定し、何とか少子化に歯止めをかけようと施策を講じて参りました。本県では国に呼応して平成10年度に「子供の幸福計画」を策定し、「子ども参画社会の実現」や「子育て支援の充実」など多岐に渡る事業に取り組みながら、子育てを社会全体で支援していく事を目標に、計画を進めて参りましたが、今日まで少子化の流れをくい止めることは出来ておりません。また議会としても平成9年度から14年度の6年に渡って、少子化対策に関する調査特別委員会を設置し、先進地の取り組み事例の調査や委員間協議を重ね、少子化と次世代育成の諸課題について報告をまとめてきておりますが、残念ながら現状が好転するには至っておりません。
こうした状況を受けて、県は現在「次世代育成支援行動計画」仮称、「新・みやぎ子どもの幸福計画」を策定中でありますが、率直に申し上げて、今回の計画がこれまで改善出来なかった少子化の流れを変えられるとは思えません。なぜなら計画では25の事業において目標事業量を設定し、平成21年度までの目標値を示してはおりますが、一番の根幹である「少子化の流れを止めたい」、「誰もが安心して子育て出来る宮城を創りたい」という、強い思いが伝わってこないからであります。
これまでの緊急経済産業再生戦略や知的障害者施設解体宣言といった、浅野知事流の施策展開は、給与カットや障害者の施設解体というある意味リスクを伴ったものでした。そのリスク故に多くの注目が集まり、沢山の県民の目にさらされるという、ある種インパクトがありました。今回の子どもの幸福計画には、その再生戦略や解体宣言のように、知事自ら退路を断って敢えてリスクを承知で施策を貫いていこうという、強い決意や凄みを感じることが出来ないのであります。
少子化への強い危機感をお持ちであれば、今回の計画も知事の強いリーダーシップで、若い世代の将来不安を払拭するインパクトを出すべきであり、ただプランを羅列するのではなく、何としても少子化をストップさせたいという、浅野知事の熱意が県民に伝わるものにして頂きたいと考えますが如何でしょうか。知事の御所見をお聞かせ下さい。

無論少子化対策は国が中心となって取り組むべき課題であり、地方単独での施策には限界があるとの現実論も承知しておりますが、私は国による総合的な支援策も必要ですが、むしろ現場の方々の声を徹底してお聞きし、それぞれの地域の特性に合ったきめ細かな、そしてより柔軟で大胆な対策を、地方で行った方が、今以上の効果が得られるのではないかと思います。
実際、2003年の人口動態統計によると、殆どの都道府県で出生率を下げた中で、石川・鳥取・愛媛の3県は出生率が上昇していますし、出生率が1を切った東京都でさえ、全国でいち早く小学校入学前までの医療費無料化に踏み切り、幼稚園児や学校給食に手厚い補助を行っている江戸川区では、98年から02年の5年間の平均出生率が1.37と、全国平均を上回る実績を挙げているのであります。逆に国の子育て支援策は、重きを置かれていなかったとしか言えません。高齢者対策に社会保障給付費全体の約70%が向けられているのに対し、子育て支援には約3%あまり。先進国が10%程度をふり向けているのに対し、著しく見劣りしているのであります。
本県としては、国の施策を踏襲するだけでなく、モデル地域を設け思い切って権限と予算をシフトし、市や町の主体性の中で成果を出していってはどうかと考えますが、重ねて知事のお考えをお示し下さい。

 今計画中私が最も手薄だと感じるのが、労政雇用、仕事と育児の両立支援についてであります。平成15年度に実施した県労働実態調査の報告によると、回答した1,655の事業所の内、産前産後休暇が制度化されている事業所は約80%。育児休業制度があると答えた事業所は71%となっており、制度そのものの普及は図られているものの、課題は休暇・休業中の収入の確保という問題であります。産前産後休暇中の賃金が、無給か一部支給と答えたのは全体の81%で、育児休業中の賃金が、無給及び一部支給と答えた事業所は全体の95%。出産で会社を休むことは経済面で大きなリスクを負うことを強いらている事が判ります。
平成15年度の少子化社会白書によれば、予定子ども数が理想子ども数を下回る理由について、63%が子育てや教育にお金ががかりすぎると答えており、経済的な理由で多くの人が、産みたくても産めないと考えている事が伺えます。こうした事例を踏まえ、出産に関する一定期間の休職中に県が何らかの形で財政的支援を行うことは、仕事と子育てを強力にバックアップする意味からも、充分研究に値することだと思いますが、知事の御所見をお聞かせ下さい。
2003年に日本経団連が「子育て環境整備に向けて」という、仕事と家庭の両立支援をテーマにした提言を発表致しました。この提言は、急速に進む我が国の少子高齢化や、国民の価値観やライフスタイルの多様化を踏まえ、子育て環境という視点が企業にとっても欠くことの出来ない課題であることを、企業の側から意識面や人事制度にまで踏み込んで述べられたものであり、家庭や妻子を省みないで、ひたすら働くことが良しとされてきた従来の価値観を、経済団体が主体的に変革し始めた一つの分岐点でもありました。
今回の次世代育成支援推進法では、こうした動きと相まってか、従業員301名以上の企業・事業所に対し、行動計画の策定が義務づけられ、妊娠・出産・職場復帰への配慮、父親の育児休暇取得の促進などを盛り込み、女性が安心して働きながら出産・育児が出来る環境を整備し、同時に男性も育児に積極的に関われる具体策をつくることを求めているのであります。しかし一番問題なのは圧倒的多数を占める、従業員300人以下の中小企業をどうするかという点であります。長引く景気悪化の波を被る中小企業では、この一ヶ月、この半年をどうやって乗り切るかが差し迫った問題であり、従業員への仕事と家庭の両立への配慮は、二の次三の次というのが偽らざる実態だからであります。
こうした中小の企業が、仕事と育児の両立支援に取り組んでこそ、子育ての社会化は大きく進むというジレンマを抱える中で、浅野知事はこれら県内の中小企業に対し、行動計画の策定をどのように促していかれるおつもりでしょうか、御所見をお伺い致します。
またそれに関連して、県労働実態調査のデータによれば、県内の従業員10人以上の民間事業所において、育児休業の取得状況はどうなっているのかというと、女性の69.5%に対し、男性は1.3%と著しく低くなっており、男性が育児を理由に会社を休むことがいかに難しいのかが、如実に示されております。企業にしてみれば長期間仕事を抜けられるデメリットは大きく、反対に社員は、休めばリストラの対象になってしまう事を恐れ休暇が取れません。こうした社会の現実を考えると、育児休業を認めた企業に対して、インセンティブが働くような制度が作れないものかと考えますが、知事はどのようなご意見をお持ちでしょうか、お聞かせ下さい。

仕事と育児を両立する人にとって、ファミリー・サポート・センター事業は、地域において子育てを皆で支え合う、非常に有用な取り組みであると思います。先日名取市のサポートセンターを訪問し、お話を伺って参りましたが、朝8時頃から夜の8時頃まで、保育所への送り迎えや児童センター閉館後の預かりなど、きめ細かなニーズに対応し、会員間のコーディネートを展開しておられました。県の新みやぎ子どもの幸福計画では、現在6カ所のサポートセンターを、平成21年度までに8カ所にする事が目標として示されておりますが、このような地域支え合い事業は、もっと積極的に市や町に働きかけて、普及を推進すべきと思いますが如何でしょうか。
 またこれまでの国庫補助が交付金化され補助が無くなり、県の補助も設置後3年間となっていることから、市や町の負担が増えるのではないでしょうか。県の補助期間の見直しや、新たな補助事業は考えられないのかお伺い致します。

 今回の「新みやぎ子どもの幸福計画」では、子どもの安全確保についても触れられております。我々の記憶にも新しい2001年、大阪池田小学校に男が侵入し、8人の児童が殺害されたあの痛ましい事件以降、2003年9月には岐阜県の中学校に包丁を持った少年が侵入。同年10月には横浜市の小学校でも同様の事件が発生。12月には京都の小学校に刃物を持った男が侵入し、児童二人が負傷しております。今年の1月には千葉県の高校で事務の女性が包丁で斬りつけられる事件がおこるなど、近年こうした学校を取り巻く事件が繰り返されておりました。そして先日は大阪府寝屋川の小学校に男が侵入し、教職員3人が殺傷されるという痛ましい事件が起こったのであります。
子どもの幸福が脅かされるこうした状況に、強い憤りを覚えずにいられないのであります。と同時に県は子供達の安全確保の為に今こそ全力を傾注しなければならないのではないでしょうか。私はこうした事態に鑑み、県内の全小学校に警備員を配置すべきではないかと考えますが、知事のお考えを伺いたいと思います。
 また、子どもの安全確保に関連しての提案ですが、身近な地域で起こった犯罪情報を、迅速に住民へ情報伝達する取り組みとして、東京都中野区警察署では、犯罪情報をメールで送信する取り組みを行っております。これはメールアドレスを登録し、情報提供を希望する住民に、地域の犯罪情報を速やかに伝えることによって、防犯に役立てようというものであります。
 本県においてもこうした迅速な対応が必要であり、特に児童・生徒を対象とした犯罪情報は出来るだけリアルタイムで流し、防犯に努めるべきではないでしょうか。県警としてこうしたメールを活用した情報配信を実施するおつもりはないか、県警本部長お考えを伺います。

 
  
 
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  大綱2点目
 
@津波対策に関して、総合防災情報システムや通信体制の整備など、地震や津波発生の 早期観測と情報収集については整備されてきたが、沿岸住民への迅速で正確な伝達手 段が構築されているとは言い難い。特に防災無線の戸別受信機の設置については遅れ ている。県は市・町と連携し計画的に普及を促進すべきではないか。

Aスマトラ沖地震津波では、海底の複雑な地形によって津波が増幅され被害が広がった。
 三陸沖も海底の地形は複雑とされており、特に沿岸部の浅い所は地形が変化しやすく 継続した調査が必要。今後海底地形の調査を更新し震災対策に反映すべきではないか。
 
 
  大綱3点目
 
B国は昨年「総合法律支援法」を司法制度改革の中で制定した。今後司法支援センター を県庁所在地などに開設して、弁護士や司法書士等の法律機関をネットワークして、 市民がより身近に法的サービスを受けられるようにすると聞いている。そこで具体的 提案として、司法センター設置に合わせ、若者が気軽に利用出来る法律相談窓口、仮 称「ロー・カフェ」を設置して、法律に関する知識や情報に乏しい若年層に、正しい 情報と解決への道案内的な窓口を設けてはどうか。